しかし高市政権はギャラリーを魅了する技を何か見せるわけでもなく、まさかの解散総選挙でこの展開に区切りをつけてしまった。おいおいそれってアリなのか? 実はさしたるシナリオも戦略もなくハッタリをかましただけだったのか?

まあほかにもいろいろ事情はあったのかもしれないけど、プロレス文脈的にいえば、ブック(台本・筋書き)のひどさ故に「金返せ」コールが観客席から沸き起こってもおかしくない。とんだ肩透かしである。

そしてさらに興味深いのが、その解散総選挙に当たっての高市首相会見での、具体的に何なのかを絶対に言わないままで「『国論を二分するような大胆な政策、改革』にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦していく」という発言、これがまたイキリ系のハッタリそのものといえる点だ。前回の大風呂敷の収束をさせないまま別の風呂敷を広げてあおるという、まさに無限イキリ戦術の奥義といえようか。

しかしそれが批判と同時に強力な支持を得ているらしいのは、ネット空間が人心のイキリ中毒を蔓延・固定化させていることの表れかもしれない。「収束の放棄」が平気となったマインドを味方にできれば、確かに政治的には瞬間的な強靭さを得ることができるだろう。

イキリが実戦に接続する弊害