<シットコム復帰を目指す落ち目女優の奮闘物語、第3弾は生成AIに引っかき回される業界が舞台>


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ドラマの変動期を描く
「被害者意識じゃダメ」

11年──カムバックを待つには長すぎる期間だが、バレリー・チェリッシュはいつだって焦らない。

ケーブルテレビHBO制作のコメディー『ザ・カムバック』の最終章となるシーズン3は3月22日から全米で放送が開始された。いつものようにタイムリーな復活だ。

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COURTESY OF HBO

青春ドラマ『フレンズ』でフィービー役を演じた女優のリサ・クドローと『セックス・アンド・ザ・シティ』の監督・脚本・製作総指揮を手がけたマイケル・パトリック・キングがタッグを組んだこのドラマ、シリーズ1の放送は2005年に始まった。

クドロー演じる落ち目女優のチェリッシュは連続コメディー復帰を目指すが、なぜかリアリティー番組に出ることに......。TV業界の実態を鋭く暴き、プライドを傷つけられても明るく振る舞うチェリッシュを応援したくなるドラマだが、視聴率は低迷。ファンの抗議の声もむなしく1シーズンで打ち切られた。

その後カルト的なファンの熱望がHBOを動かし、14年にシーズン2が制作された。こちらはかなり高い評価を獲得。シリーズ第2弾の背景は、人間の心理を深掘りしたシリアスなドラマが人気を呼んでいた当時のTV業界だ。

そして10年余りの歳月が流れ......再び帰ってきたチェリッシュは、様変わりした業界に飛び込むことになる。

シーズン2の最終回でドラマは一応の決着を見た感じだったから、シーズン3の制作は予想外だった。3に取りかかれるほど「強力なアイデアが浮かぶのに10年か11年かかった」と、キングは言う。

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