避難に要する時間が最も短かったのは、乗客計152が搭乗して前方にファーストクラス座席2列を配し、高齢の乗客30人は客室全体に均等に分散しているという想定だった。それでも乗客全員が地上に到達するまでにかかった時間は141秒と、FAAの基準を大幅に超過した。

過去の研究によると、高齢者は認知機能の低下が状況認識に影響を及ぼし、判断も遅れることがある。航空機火災のような高ストレスの状況下では、そうした能力が一層悪化する可能性もある。

研究チームは今回の研究について、例えば高齢の乗客には安全手順について追加的な説明を行うなど、避難の迅速化を図る対策に役立ててほしいとしている。

さらに、子供や妊婦についても航空機からの避難には特有の課題があると指摘し、今後の研究ではそうした要因についても調査するとした。

「こうした調査結果が航空会社による積極的なリスク軽減の役に立つことを期待する」「乗客の分散が避難にどう影響するかを理解することで、航空会社はより戦略的な座席配置を実行に移し、運航効率を損うことなく安全を最適化できる」とチャンはコメントしている。

【関連記事】
【写真】エンジン火災の旅客機から90秒で避難できる? シミュレーションが見せつけた現実

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます