「敵対国と見られない関係を」

日本政府は引き続き情勢を見極めつつ対応を決める構えだ。木原氏は会見の中で、英国からホルムズ海峡の安全確保を目指す多国間協議への参加の呼びかけがあり、対応を検討中だと明らかにした。その上で、「海峡における航行の安全を含む中東地域の平和と安定は、エネルギー安定供給の観点を含め、日本に限らず国際社会全体にとって重要だ」と強調。3月19日に欧州主要国などと共同で発出した首脳共同声明を引き合いに、「国際社会と緊密かつ広範囲に連携しながら必要なあらゆる外交努力を行ってまいりたい」と述べた。

ただ、海峡の安全を確保するための「貢献」について、日本は法的にも多くの制約を抱える。日本政府関係者は、仮に米国の攻撃が終結したとしてもイスラエルとイランの関係が読めないことや、テロの恐れなど不確定要素が残⁠り続けることを挙げ、「日本の艦船がペルシャ湾に出ていくのはハードルが高い」との立場を崩していない。機雷除去のための掃海艇派遣も、敷設された機雷が武力行使のためではなく遺棄されたものであると認定できなければ不可能だ。

チャタムハウスの玉木氏は日本が原油不足を脱する方策として、「対イラン外交を継続し、新しい体制からも原油を買い入れること」が重要だと指摘。米国やロシアからのエネルギー調達を増やす必要もあると話す。民族学博物館の黒田氏も「イランは日本が米国との関係を重視せざるを得ないことはよく理解している」とした上で、「イランとの関係を維持し、敵対国と見なされないポジションを確保し続けることが大切だ」と提起した。

(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)

[ロイター]
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