<ケネディJr.夫妻を描くドラマを甥が批判。実在人物を収益に転換する行為が問いかけるレガシー問題とは>


▼目次
「名家もの」が増える訳
レガシーは誰のもの?

「自分が何を言っているのか、彼は何も分かっていない」

故ジョン・F・ケネディ元米大統領の孫、ジャック・シュロスバーグが先日、情報番組『サンデーモーニング』でそう発言した。「彼」とは、米ケーブルテレビ局FXのドラマ『ラブストーリー ジョン&キャロリン』の製作総指揮を務めるライアン・マーフィーのことだ。「他人の人生をグロテスクな見せ物にして巨額を稼いでいる」

アメリカなどで2月中旬に配信を開始した『ジョン&キャロリン』の主人公はシュロスバーグの叔父、故ジョン・F・ケネディJr.と妻の故キャロリン・ベセット・ケネディだ。2人の関係と飛行機事故による突然の死を描く本作は「完全なフィクション」だと、シュロスバーグは切り捨てた。

CBS News’ “Sunday Morning” 🌟(@cbssundaymorning) がシェアした投稿より

そう批判する声はほかにもある。『ジョン&キャロリン』がFX最大級のヒット作になるなか浮上しているのが、実人生のドラマ化の代償を払うのは誰かという問いだ。

ケネディJr.の元恋人である女優ダリル・ハンナは3月上旬、ニューヨーク・タイムズに発表したエッセーで、同作での自身の描写を批判し、視聴者は事実として受け取ると警鐘を鳴らした。

ドラマの収益も懸念の対象だ。シュロスバーグは一部をジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館に寄付してほしいと語ったが、「マーフィーはそうしないだろう」と付け加えた。「彼がしているのはカネ儲けだ」

シュロスバーグは同作を葬りたいわけでも、誹謗中傷だと主張しているわけでもないようだ。むしろ、ある一族のレガシー(遺産)を商業資産に転換する行為に伴う義務について問いかけている。

「名家もの」が増える訳