トランプ米大統領が23日、イランの発電所攻撃を5日間延期するよう命令したと自身のSNSに投稿する直前のわずか15分間に、原油先物市場は名目金額ベースで5億ドルを超える取引が集中したことが、取引所データやロイターの計算で判明した。
トランプ氏が「イランとの建設的な協議が進んでいる」などとした投稿を行ったのは23日1105GMT(日本時間午後8時05分)で、その数分後には北海ブレント先物価格が一時15%急落した。米国とイランの緊張が和らぎ、ペルシャ湾岸の原油輸送が再開される可能性が織り込まれたためだ。
LSEGのデータからは、1049GMTから1050GMTにかけて、トレーダーは北海ブレント先物と米WTI原油先物の合計で5100枚のポジションを構築したことが分かる。これはロイターの計算に基づくと5億ドルを優に上回る規模だ。またその1分間の取引は大半が価格下落に賭ける売り方向だったことも明らかになった。ただ具体的に誰が取引したかは不明だ。
トランプ氏の投稿後1分間で取引量は1万3000枚超とさらに膨れ上がり、北海ブレント先物は直前の1バレル=112ドルから99ドル前後、WTI原油先物は99ドル近くから86ドルに値下がりした。
北海ブレント先物が取引されているインターコンチネンタル取引所と、WTI原油先物が取引されるNYMEXを所有するCMEグループはいずれもロイターのコメント要請に回答していない。
米証券取引委員会(SEC)はコメントを拒否。ホワイトハウスはコメント要請に回答せず、米商品先物取引委員会(CFTC)からもコメントを得られなかった。
2月末に米国とイスラエルがイランを攻撃するまでの3年間、北海ブレント先物の平均取引量は1日当たりおよそ30万枚だったが、足元では1日当たり100万枚超と過去最高水準に達している。

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