<なぜ筋トレに「クールダウン」は不要なのか? 神経系を目覚めさせるウォームアップの科学>

日本でも定着した「自重トレーニング」。そのきっかけは、2017年に邦訳版が刊行された『プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』(CEメディアハウス)だった...。

元囚人でキャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドが語る、筋肉について。「CHAPTER 11 体を鍛える時の知恵」より一部編集・抜粋。

 
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ウォーミングアップ

モッツァレラチーズの厚いスライスを冷蔵庫から取り出し、引っ張ったらどうなるか想像してほしい。簡単にちぎれる。そうだろう?

しかし、同じスライスを電子レンジに入れて数秒間加熱すると、やわらかくなって伸びるので簡単にはちぎれない。筋肉細胞も似たようなものだ。

冷たくなっている時は、細胞レベルで繊細になり、ストレスを受けると傷つきやすい。温かくなると、そこに伸縮性と柔軟性が生まれる。思慮深いアスリートが運動前にウォーミングアップを行う理由がこれだ。

ケガのリスクを軽減するだけでなく、神経系を目覚めさせ、関節の周囲に衝撃吸収性がある新鮮な滑液を送り込み、本番(ウォーミングアップ後のワークアウト)に心を集中させるためだ。

どの程度のウォーミングアップが必要かは、気温、コンディション、年齢によって異なってくる。年齢が高いアスリートは若者より少し長めにウォーミングアップする必要がある。わたし自身は、長くやるのは好きではない。

本番のトレーニングのほうが好きだからだ。ウォーミングアップを段階に分けて行う者も多い。心臓に血液を送り込む有酸素運動、何種類かのストレッチ、それから、今回のエクササイズで実際に使う筋肉を温める軽い筋トレ。1時間近くウォーミングアップしている者さえいる。

それではやり過ぎだ。すべてをやる必要はない。ウォーミングアップの最も効果的な方法は、本番で実行する予定の動作の簡単なバージョンを肩ならしに行うことだ。

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唯一の例外は、ケガをしている時