ロイターが取材した4人の法律専門家も同じ見方だ。欧州大学院の貿易法専門家エルンストウルリッヒ・ペテルスマン氏は「EUがWTOに提訴する事態は、非常にあり得る」とロイターに語った。

ただ税制改革法案策定に携わった下院歳入委員会は、WTOの基準に沿ってまとめたと説明する。同委員会の報道官は「法案は単純に競争環境を平等にする。だから米企業は国内を含め、世界中で競争を勝ち抜ける」とロイターの質問に回答した。

<報復リスク>

ロイターが問い合わせた欧州の企業団体のほとんどは、まだFDII向け優遇税制の影響を精査している段階。その中で英産業連盟(CBI)は、さまざまなリスクが想定されると回答した。

CBIの経済政策責任者アニー・ガスコイン氏は「FDII向け優遇税制に対して他国が報復措置を講じるというリスクは現実味がある」と懸念を表明した。

欧州大学院のペテルスマン氏によると、米国が企業の財や無形資産輸出を条件に売上税もしくは所得税を軽減すれば、それはWTOの補助金協定第3条1項で禁止が定められている補助金に該当するとみられる。WTOは2000年、FSC税制について同協定第3条1項を根拠にルール違反と認定している。

(Tom Bergin記者)

[ロンドン 21日 ロイター]
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