[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)0.1%上昇した。伸びは前月の0.2%から鈍化。インフレ圧力が引き続き緩やかになっていることが示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が来月の会合で利下げを決定するとの観測が一段と高まった。
前年比では2.2%上昇。前月は2.7%上昇していた。モノ(財)の価格上昇がサービス価格の低下で相殺されたことで伸びが鈍化した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は前月比が0.2%上昇、前年比が2.3%上昇だった。
<9月利下げ観測を後押し>
食品とエネルギー、貿易サービス部門を除いたコア指数は0.3%上昇。6月は0.1%小幅上昇だった。前年同月比では3.3%上昇。6月は3.2%上昇だった。
今回のPPI統計では、FRBがインフレ指標として注視している個人消費支出(PCE)価格指数の算出に利用される多くの項目で良好な数値が示された。物価上昇が緩和する中、FRBは物価安定よりも労働市場を一段と注視して政策運営を実施できるとみられる。
FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「PPIの伸びが7月に鈍化したことはFRBに朗報だった」と指摘。同時に「PPIのデフレは起きていない」とし、「経済が下降傾向にあるため、FRB判断を急ぎ、利下げを前倒しする必要はない」との見方を示した。
シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「米コア個人消費支出(PCE)価格指数の見通しを0.20%から0.18%に小幅引き下げたが、最終的な予想は14日に発表される米消費者物価指数(CPI)に大きく左右される」と指摘。
JPモルガンのエコノミスト、マイケル・ハンソン氏は「生産者から消費者への価格転嫁は不完全で長さも一定ではないが、今回のPPIはFRBが今後の政策決定において引き続き労働市場に重点を置くことを可能にする範囲内に十分収まっている」と述べた。
<財価格0.6%上昇、サービス価格0.2%下落>
財の価格は2カ月連続の下落から0.6%上昇に転じた。5カ月ぶりの大幅な上昇となった。エネルギー価格は1.9%上昇し、モノの上昇分の6割を占めた。ガソリンも2.8%上昇した。
食品価格は0.6%上昇。6月は0.1%上昇だった。変動が大きい食品とエネルギーを除いた財のコア指数は0.2%上昇。6月は横ばいだった。
サービス価格は0.2%下落し、2023年3月以来の大幅な下落となった。6月は0.4%上昇だった。
卸売業者や小売業者が受け取るマージン(利ざや)の尺度である最終需要貿易サービスが1.3%下落したほか、機械・車両の卸売マージンも4.1%下落した。
食品・酒類、自動車・燃料・潤滑油などが下落した一方、運輸・倉庫のサービス価格は0.4%上昇した。
航空運賃は前月の0.4%上昇から一転0.2%下落。健康保険・医療保険は0.1%小幅上昇した。6月は0.2%上昇だった。
外来診療費が0.2%下落した一方、入院医療費は0.2%上昇した。
ホテルなどの宿泊料金は0.4%下落。6月は0.5%下落だった。
ポートフォリオ管理費は2.3%上昇したものの、このところの株式市場の急落を背景に反転する可能性が高い。