今後の続編で報われそう
筋書きもいまひとつだ。人々が殺され、ニュートが魔法動物を解説し、物事はひっくり返る。しかしすべてがどこかばらばら。周囲の人間がニュートを評価するようになっていく理由もはっきりしない。
ニュートは有能で勇敢だが、あまりに無口過ぎる。彼がおしゃべりなコワルスキーと初めて会ったときのコミカルな感じは、話が進むにつれてどんどん薄れていく。脚本がおかしいのだろうが、レッドメインがカリスマある魅力を徹底的に抑えているのを見るのはつらい。
イエーツの戸惑いも伝わってくる。これまでどおり特殊効果には自信があるが、ごく普通の会話や掛け合いは苦手なようだ。ジョークは笑えず、やたら冗長な場面もある。コワルスキーとティナの妹クイニーが出会うところでは、感情も魔法もすべてが大げさで苦痛に感じるほどだ。
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だが呪文が飛び交う場面では、すべてが変わる。「目のある黒い風」は見栄えのする敵ではないが、これだけ見どころの多い映画が楽しくないわけはない。新セーレム救世軍を率いるメアリー・ルー・ベアボーン(サマンサ・モートン)の変なアメリカ英語、巨大な魔法動物に追われるコワルスキー、ダンブルドアとレストレンジという名前、最後に登場する大物――。
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が人物像とゲームのルールを作り上げるという退屈な仕事を担ったことは、今後の作品で報われそうだ。
何しろ、最初から成功する映画シリーズは珍しい。『ハリー・ポッターと賢者の石』だって見るに堪えないほどだった。でもやがてシリーズの魔法にみんながかかっていった。