ナジブが急いだNSC法にしてもそうだが、イスラム法導入も「なぜ今なのか」と穏健派イスラムが首をかしげるにもかかわらず積極的、と拙速感が否めない。政権側は「イスラム過激組織やメンバーへの警戒網」と必要性を説明するがそれはあくまで表向きで、窮地に追い込まれつつある「1MDB疑惑」から目を逸らすことが真の目的と野党側は指摘する。
政権打倒のシナリオ
マハティール、アンワルによる野党共闘は中華系野党を巻き込みながら(1)IMDB疑惑の追及(2)イスラム刑法導入反対(3)NSC法による首相権限強化反対の3点を突破口にして反政府の国民的運動を盛り上げる展開になるとの見方が野党関係者の間では広がっている。両者の直接会談後も水面下では双方の事務レベルなどでの接触が続いているとされ、イスラム教の重要行事である犠牲祭(9月12日)が終わった9月末から年末にかけて、街頭デモ、裁判闘争などを通じて反ナジブ運動を繰り広げ、最終的には議会解散か首相辞任に追い込むのが政権打倒のシナリオとされている。
対するナジブ、与党側による必死の抵抗も予想され、社会不安を高めることでNSC法を発動し、治安維持名目で野党勢力や政権に批判的なメディア、人権・学生団体などへの弾圧強化も予想されるなど、マレーシア情勢は今後目を離すことができない状況になりそうだ。
それだけ18年目の怨念を超えた握手の意味は大きかったということだ。
