キューバ政府は、本人やその親の出生地がキューバであれば、たとえアメリカ国籍を持っていたとしてもその個人はキューバ国民だといっているのだ。キューバ政府はアメリカに帰化する個人の選択を認めないばかりか、アメリカで生まれた子どもにはアメリカ国籍が与えられるという権利も認めていない。カストロやその取り巻きの考えに従えば、キューバ人やその子孫はキューバに属し、キューバ国籍を放棄し自由の身になることは不可能ということになる。

カーニバル社には社会的制裁を

 キューバ政府はまた、キューバ生まれの海外居住者は船でキューバに入国することができないと定めている。だからカーニバルは、キューバ生まれのアメリカ人の乗船を拒否しているわけだ。

 カーニバルを訴えた場合、勝訴の可能性は?

 カーニバルの対応が、1964年に成立した公民権法に違反するかは不透明だ。同法では、アメリカの「公共の宿泊施設」における「人種、肌の色、宗教、もしくは出身国」による差別を禁じている。

 マイアミではすでに、連邦裁判所へ訴訟が起こされている。今後の争点は、公民権法が海外でも適用されるかどうかだが、乗客はアメリカで乗船することから、同法が適用されるという見方が大勢だ。

 カーニバルの方針が公民権法の精神に反していることは明白なので、問題はむしろアメリカ世論の動向だろう。カーニバルは社会的制裁を受けるべきだ。キューバ人の両親を持ち、自身はアメリカで生まれたボブ・メネンデス上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、以下のように述べている。

 キューバビジネスの儲けに目がくらんだアメリカ企業が、アメリカ国民の市民権を踏みにじるカストロ政権と取引するなど、これまで思いもよらなかったことだ。カーニバルは過ちを犯してはいけない。キューバ系アメリカ人を差別することで、カストロ政権の抑圧的な手法をアメリカ本土に広げることがあってはならない。

 カーニバルとカストロ政権の「愛のボート」は法廷行きだ。

Mike Gonzalez is senior fellow at The Heritage Foundation

This article was originally published on The Daily Signal.