<黒人初の大統領候補を目指したチザムの人生を、15年かけて映画化したレジーナ・キングの思いについて>

レジーナ・キングにとって、黒人女性で初めて米下院議員に選出された活動家シャーリー・チザムの生涯を映画化するのは容易ではなかった。

ネットフリックスで配信中の映画『シャーリー・チザム』でチザムを演じるキングは、妹と共にプロデューサーとして映画化に奔走。この作品は「15年近くこのプロジェクトに関わってきた私たちの愛のたまもの」と、キングは言う。

『シャーリー』は、チザムが黒人女性初の大統領候補の座を目指して民主党内の予備選に出馬した1972年の選挙戦に焦点を当てている。キングが演じるのは、先駆者としての姿の裏にある一人の女性としてのチザムだ。

「彼女も一人の娘であり、妻であり、誰もが共感できる存在だった」。同時に「中南米系や黒人の賃金アップを実現するなど大きな改革を成し遂げた」のもチザムだった。

キングはアカデミー賞女優らしい卓越した演技力で、チザムのあらゆる側面を見せてくれる。とりわけ、静かな場面の演技は圧巻だ。

「さりげない場面でこそ、彼女の人となりが分かる」と語るキングに、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。

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──シャーリー・チザムを知っている人が少ないことに驚いた?

黒人の歴史の授業で教師が彼女を取り上げる幸運に恵まれれば知っているかもしれないが、そうでなければ知らないでしょう。この映画が公開されることで、彼女を知らない人がいなくなることを願っている。

──シャーリーについて新しい発見はあった?

もちろん。強い人間でいるのは簡単なことじゃない。この映画を見てシャーリーの人間性について知ってほしい。

──この作品には多くの才能あふれる人が関わっている。ジョン・リドリー監督、テレンス・ハワード、昨年亡くなった俳優のランス・レディックもそうだ。

前から大好きだった人ばかり。小規模な、配信の作品ということを知りながら、皆が参加してくれたことにぶっ飛んだ。

【写真】シャーリー・チザム(1924-2005)
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