<2分の映像が世界に拡散されて炎上し、勤務先も解雇された白人女性が真実を語る>

「リストカットしろ」。見知らぬ人がメールで言ってきた。

「おまえなんか刑務所でレイプされちまえ」。名も名乗らず、電話でそう言う人がいた。

私の名前はエイミー・クーパー。でも、みんなが知っている私は「セントラルパークのカレン」。私の本名は知らなくても、前後の大事な脈絡なしに世界中で流されたわずか2分の映像で、たいていの人が私と私の話を知ったつもりになっている。

みんなが信じて拡散した話はこう。白人の「セントラルパークのカレン」が無実のバードウオッチャーである黒人男性を、肌の色だけを理由に警察に通報した(英語圏では傲慢で人種差別的な白人女性を「カレン」と総称する)。

でも、本当の話はこうだ。

2020年5月25日、私は犬を連れてセントラルパークへ散歩に行った。ちょうど犬にリードを付けなくていい時間帯だった。帰りは、めったに人のいない森を通ることにした。すると突然、「ここから出ていけ」という声がした。「その犬をリードにつなげ!」。男は何度もそう叫んだ。

男の名はクリスチャン・クーパー。黒人だ。「おまえが好きなようにするなら、こっちも好きなようにする。あとで困ったことになるぞ」。そう言って彼はスマホを取り出し、私を撮り始めた。

怖かった。私は女で、周囲には誰もいない。10代の頃に性的暴行を受けたことのある私は、パニックに陥った。

しかも彼はドッグフードを持っていて、それで私の犬を誘い込もうとした。嫌な予感がした。そうやって毒を盛られた犬の話を、前にニュースで見ていたから。

そこで私は、警察を呼ぶと言ってやった。でも彼は平気で、呼べるものなら呼んでみろと挑発した。

仕方ないから警察に電話して、事情を伝えた。人種のことは何も言わなかった。

排斥されるのを恐れる

その日のうちに、彼は私を撮った動画をフェイスブックにアップして、リードを付けていない犬を誘い込むためにいつも餌を持ち歩いていると自慢げに書き込んだ。

ならば、被害に遭ったのは私だけじゃないはずだ。

今もまともな仕事に就けない
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