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「ゼロコロナ」解除で上海ディズニーランドには客足が戻ったが VCG/GETTY IMAGES

中国市場も様変わりしている。19年のディズニー映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は中国で6億1400万ドルもの興行収入を上げたが、最近の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』や『アントマン&ワスプ:クアントマニア』といった大作は、中国での興行収入が1億ドルに届いていない。

こうした変化の背景には米中間の政治的緊張や新型コロナのパンデミック、国産映画の人気などがある。

    

「米中関係は冷え込み、愛国的な感情が高まっている。西洋文化の魅力や、その実益に関する疑念も今までになく高まっている」と、サリバンは言う。

今の中国人はハリウッド映画よりも国産映画を楽しんでいる。朝鮮戦争でアメリカ軍に反撃する中国兵を描いた21年の映画『1950 鋼の第7中隊』の興行収入は9億ドル弱で、中国で最もヒットしたアメリカ映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の4倍以上だった。

ディズニーの『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は昨年の最大のヒット作で、全世界で23億ドルも稼いだが、中国での興行収入は朝鮮戦争ものの続編『1950 水門橋決戦』に遠く及ばなかった。

チョウによれば、中国の人々はコロナ禍で自国が悪者扱いされたと考え、内向きになっている。「世界中から批判されたので、今は自分たちを誇らしく思えるものを見たがっている」

中国の映画市場は28年までに81億1000万ドルに達する見込みだ。これは22年実績のほぼ2倍に相当し、世界一の規模となる。

市場調査のマーケット・リサーチ社によれば、中国各地で映画館の数が増えている上に、料金はまだ安い。また若年層の消費行動にも変化が見られる。

同社のリポートには、中国の輸入映画市場が急拡大するなかで「既に中国の映画ファンの嗜好はハリウッドの作品作りに影響を及ぼしている」との指摘もある。

中国市場を諦めない
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