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交互にボーカルを務める3人組は今年のコーチェラ・フェスにも出演 NOAM GALAI/GETTY IMAGES FOR TIBET HOUSE US

アルバムを静かに締めくくる「レター・トゥ・アン・オールド・ポエット」は「部屋に入っても、あなたの姿を探さない覚悟はできている」と歌い、悲痛な響きで終わる。

「コンセプトを決めて曲作りをするのにうんざりしていた。ずっと考えていたことを、メロディーについては気にせずに書きたいように書いた」と、ブリジャーズは話す。

「結果的に生まれたのは、以前に書いたものとそっくりだった。(18年のミニアルバムの収録曲)『ミー&マイ・ドッグ』と同じことを、何年もたってから書いた感じ。でも、自分で自分を訴えたりはできないし、と思って(ベイカーとデーカスが笑う)。ほかの2人に仕上げてもらったけれど、これほど感情的なことを書くのは癒やしになった」

ユニットを結成してデビュー作を発表する前から、カリフォルニア州出身のブリジャーズとテネシー州出身のベイカー、バージニア州出身のデーカスは、それぞれの活動を通じて出会っていた。3人の音楽が感情面で似ていることを考えれば、手を組むのはほとんど必然だった。

ブリジャーズの音楽はオンラインで初めて耳にして、その後に一緒にライブをしたと、ベイカーは振り返る。「私にはクールすぎる人だろうと思っていた。実際に会ったら、その場で友人になった。ルーシーとも同じだった」

エゴにしがみつかない

「ある日、ニューヨークへ行った」と、デーカスは語る。「ジュリエンのことは知らなかったけれど、その日のうちに名前を8回聞いた。『このジュリエン・ベイカーって誰よ?』と思っていたら、ジュリエンのオープニングアクトをやる気はないかと、彼女のマネジャーからメールが来た。ああ、全てはこれを引き受けろというサインだったんだ、と感じた」

「フィービーの場合も同じ。ジュリエンに『フィービーと絶対会うべき』と言われた」

ボーイジーニアスは、メンバー同士が本物の絆で結ばれていると感じられる点で独特だ。「ノット・ストロング・イナフ」のミュージックビデオは、3人が遊園地や美術館ではしゃぐ姿を映し出す。

その相性の良さは、これまで数々の大物ロックグループを悩ませてきたビジネス面の圧力やエゴに損なわれたりはしないようだ。このバンドでは誰の声も無視されないと、ブリジャーズは話す。「一緒に好きなものをつくっている人たちが、うまくやれないなんて考えられない」

4月12日からツアーを開始
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