さらに同社は、一般の人向けに石鹸で正しく手を洗う方法が学べる紫色の液体SoapiCoach(特許取得済)も発売している。1本(75ml)入りで約30回分、約2300円。常温で2年保管可。こちらは液体石鹸と同じように使い、色のムラがないようにして手をこする。通常の石鹸で液体を落とすが、しっかり洗い流すことも学ぶべきポイントだ。SoapiCoachは子どもたちも学校で使っており、楽しく学んでいるそうだ。
開発では失敗を重ねた
Heyfairは、ヘルムントCEOが2014年に友人と設立した。大学でアート・デザイン、そしてビジュアルコミュニケーションを専攻した2人は、ある日、しっかりした手指の衛生が院内感染率を大幅に減らすこと、とはいえ、病院でスタッフたちが1日何度も行う消毒は単調になりがちで、常に万全に消毒することはとても難しいということを知った。そこで、目に見えない抽象的な消毒するという行為を可視化すればいいと考えたのだった。

DesiCoachの開発には試行錯誤を重ねた。たとえば、最初は液の粘性を水のようにさらさらにしたが、液が手から垂れやすいと試してもらった人たちに指摘を受け、粘性を少し高めた。色も変えた。青空のような爽やかな青にする予定だったが、青色のプロトタイプを医師や看護師に試してもらったところ、不自然だし病人のような手の色にも見えると不評だった。そこで様々な色で作り、最終的にピンク色に決めたという。
またDesiCoachは大容量で販売していたが、講習会を開いた際に大勢の参加者に1本を回して使うより、たとえば3セットを購入してもらい3つの少グループで並行して使う方が効率的だと気づき、最近、75mlの小容量に変更した。
同社は現在、中国での販売を見込み交渉中とのことで、日本でもぜひ同社商品を広めたいという。問合せは大歓迎だそうだ。同時に、消毒したかどうかが可視化される拭き取り用消毒液や、効果が薄れたら色で教えてくれるマスクなど新商品のアイデアも練っている。「衛生」と「視覚的なわかりやすさ」の分野にはまだまだたくさんの可能性があると同社では考えている。
ところで同社商品のことを知ったとき、筆者は、テレワークをし、外出時にはマスクを手放さなかったのに、新型コロナに感染したスイス人の友人のことが頭に浮かんだ。パートナーにうつったため2人で2週間以上寝込み、「どこで感染したのか、まったく見当がつかない」と話していた。手の消毒が不十分だった可能性もある。
同社商品の潜在的なニーズは、とても高いのではないだろうか。
