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MOLLY DARLINGTONーREUTERS

プラスサイズのインフルエンサー、ケイティ・ストゥリーノは2018年、インスタグラムにビクトリアズ・シークレットのブラジャーを着用した自身の写真を投稿した。胸の谷間やブラの食い込みの深さが、いかに窮屈で苦しいかを物語っていた。

ストゥリーノはさまざまなブランドの一番大きいサイズの衣類を着用してそれが滑稽なほど小さいことを示し、「私のサイズを作って」とブランドに呼び掛ける運動を展開していた。

もっともこのときは、ビクトリアズ・シークレットの幹部が痩せた女性だけが美しいと言わんばかりの同社のファッションショーを擁護する発言を行ったことへの抗議だったが。

署名活動サイトのチェンジ・ドット・オーグでは19年、ビクトリアズ・シークレットに対し「製品ラインにプラスサイズを加えてください」と呼び掛ける運動が起きた。

買いたくても買えない

「ビクトリアズ・シークレットが大好き」という発起人は「毎年、エンジェルたちの出演するファッションショーを見ては、同じ製品を買いたいと思うのですができません。プラスサイズを売っていないからです」と訴えた。

自分が使える商品を売っていないブランドをこれだけ愛せるのも不思議な話だが、同時に残酷な逸話でもある。広告が紡ぎ出すファンタジーを楽しめるような人でも、ビクトリアズ・シークレットのブラを買えるとは限らないのだ。

最近のビクトリアズ・シークレットは多少なりともモデルの多様化を図りつつ、多少なりともサイズ展開を広げようとしている。ブラジャーでは従来のDDDより1つ上のGまで、水着も最大LだったのがXLまでというふうに。

だが、それでも現実のアメリカ女性のサイズを考えればまだ小さい。エルセッサーはニューヨーク・タイムズに対し、サイズ展開をXXXXXLまで広げるよう働き掛けるつもりだと語っている。

エルセッサーのような新たな「ブランドの顔」の意見にビクトリアズ・シークレットが耳を傾ける可能性はあるだろう。最近のビクトリアズ・シークレットは、優しい着け心地のワイヤレスブラや、リラックス感重視の「ラウンジブラ」も扱うようになってきている。

多くの顧客(と、顧客になってくれるかもしれない人々)の心を傷つけるようなまねはもうしないという決意は本物なのだろう。後は、顧客のビクトリアズ・シークレット離れが進んでいないかどうかに懸かっている。

©2021 The Slate Group

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