いずれの専門家も「親はマスクの影響を過剰に心配する必要はない」と声を揃えます。子どもは大人よりもはるかに適応力が高く、口元や表情以外の情報を駆使して、言葉を発達させ、感情を読み取る力を身につけていくだろう、という楽観的な意見が多いようです。
しかし日本の教育現場からは「子どもたちの笑顔が減った」「感情を読み取る能力が低くなった」「子どもと信頼関係を築きにくい」「ほめても意図が伝わらない」など、子どもたちのコミュニケーション力や社会性の発達を危惧する声が次々と上がってきています。
マスク時代は感情を強調するコミュニケーションが大切
伝統的に日本人は、欧米人に比べて、感情を顔に出さず、控えめな感情表現を好みます。しかしマスク着用がニューノーマルとなった現在は、目の表情、声のトーン、ジェスチャーなどを強調したコミュニケーションスタイルが重要になります。
子どもと日常的に関わる親や教育者はもちろん、大人同士、子ども同士のコミュニケーションでも、言葉以外の「非言語コミュニケーションスキル」を駆使することで、お互いに気持ちや意図が伝わりやすくなり、意思疎通や人間関係を円滑にしてくれます。
たとえば目元の表情。人は幸せなときには目の周りにシワが寄り、悲しいときには涙が流れます。目を細めたら疑いのサイン、目を見開いたときは関心を寄せているサインです。顔全体が見えないことで失われる情報は確かにありますが、人の気持ちを知るために必要な情報の多くは、目元を強調することで正確に伝えることができるのです。
非言語コミュニケーションスキルは少し訓練すれば誰でも身につけることができます。子どもがいる家庭では以下を実践してみてください。それだけで子どものコミュニケーション力が格段に向上するはずです。
1)子どもと向かい合って会話したり、遊ぶ機会を増やす
2)感情表現(声、表情、ボディランゲージ)を2倍大袈裟にする
3)話し言葉をはっきり、ゆっくり、明瞭にする
