夏休みは好きなことに思い切り取り組む時期
9月入学を導入しているアメリカやヨーロッパ諸国では「夏休み」に学校から宿題や課題が出ることはありません。(成績不振者の進級条件として夏期講習が課されるケースはあります)なぜなら夏休み前に(6月〜7月)学年が終了しているからです。
欧米の子どもにとって夏休みは、学校という集団社会から開放され、自分が好きなこと、打ち込んでいることに専念できる時期なのです。スポーツ合宿に参加したり、音楽やアートに没頭したり、自分が情熱を持っていることにとことん取り組み「人間力」を鍛えることができるのが夏休みです。
4月入学ですと、学期の間に夏休みを挟みますから、宿題を出して学力低下を防ぐ措置が必要になります。その結果、夏休み中も子どもたちは学校の延長のような課題が強制され、それぞれの興味や関心に合う活動に従事したり、多様な経験を積むことが難しくなってしまうのです。
筆者が学習塾を営むアメリカでは、夏休みに子どもをサマーキャンプに参加させる家庭が多いです。サマーキャンプというのは、親元を離れ、大自然の中で1ヶ月程度の集団生活を行うアクティビティです。いつもとは違う環境で、いつもと違う仲間との出会いを通して視野を広げ、身の回りことを全て自分でやる経験によって自立を促すことができます。
小学校から高校卒業まで夏休みはたった12回です。この12回をどう過ごすかが、子どもの将来を左右すると言っても過言ではありません。夏休み中に多様な出会いを経験したり、技能や知識を高めるために自主的な努力を重ねてきた子どもは「心身共に一回り成長して」9月から新学年を迎えることができます。
9月入学によって夏休みの目的が、子どもの個性や才能を育む時期、子どもの自立を促す時期へと変わり、ひいては、自分のやりたいことを見つけ、自分らしく自己実現できる人間形成へとつながっていくのです。

