ロペスの華麗な「誘惑」

映画は、事件の数年後に、デスティニーが記者を相手に当時を振り返るという設定だ。はじけるシャンパンといったおなじみの描写もあるが、ありきたりではなく洗練された仕上がりになっている。

これでもかと言わんばかりに当時を再現したファッションと強烈なメークは、そう遠い昔ではないのに、もはや完璧に過ぎ去った時代をよみがえらせる。

デスティニーのクモの脚のような盛り過ぎのまつげが人物描写を意図したものか、ぱっつん前髪と同じく、ちょっと選択を間違ってしまった結果なのかは不明だが、気になっていくつかの場面ではウーの表情に集中できない。本作の事実上の主役はウーだが、カメラは常にロぺスの姿を追っていたいかのようだ。

本作のロぺスは普段のぎこちなさを脱ぎ捨て、たくましい母グマのような温かみをあらわにする。見事なストリップを見せた後、彼女はセクシーな衣装にふさふさの毛皮のコートを羽織った姿で屋上に座り、「この毛皮に入りな」とデスティニーに優しく言う。そんな誘いに誰が抵抗できるだろう?

HUSTLERS

『ハスラーズ 』

監督╱ローリーン・スカファリア

主演╱コンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス

日本公開は2月7日

© 2020, Slate

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