「たくましい大統領」に付きまとう健康不安の疑念

健康不安説がささやかれ始めたのは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年以降のこと。神経系の疾患からがんまで、さまざまな推測がSNSを中心に飛び交ってきたが、ロシア政府は72歳の大統領が深刻な病気を患っているという見方を一貫して否定している。

プーチンはこれまで柔道や乗馬などを行う写真を積極的に発信し、「健康でたくましい」イメージを築いてきた。だが、2022年4月に当時のセルゲイ・ショイグ国防相との会談中にテーブルを掴んでいる姿が収められた映像が拡散し、「手の震えを抑えようとしているのでは?」という憶測を呼んだのをきっかけに、健康状態を疑問視する声が広がった。

今回話題となったサマラでのイベントでは、「健康な祖国」運動の代表エカテリーナ・レシチンスカヤが、ロシア国内における電子タバコの全面禁止を目指す取り組みについてプーチンに説明したという。この内容は政府のウェブサイトにも掲載されている。

一方、SNSではプーチンの健康に関する投稿が相次いでいる。親ウクライナ派ユーザーのユルゲン・ナウディットは、「SNSではプーチン(または、何人かいるプーチンたちのうちの1人)の『モンスターのような手』に何が起きたのかが話題になっている」と皮肉った。

別のユーザーは、「精神的に問題があるだけでなく、肉体的にも病気かもしれない。手が膨れ上がり、静脈が異常に腫れている」と書き込んだ。

ロシア政府は今回の映像についてコメントを出していない。ウクライナ侵攻の終わりが見えないなかで、プーチンの健康をめぐる臆測も収まる気配はないようだ。

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