中国ではこういった情報を流して、いかに韓国にTHAADを配備することがまずいことであるかを強調している。

 中国の一党支配体制が崩壊することは、国際社会としては望むところかもしれない。平和裏に崩壊するのなら、中国という国に初めて言論の自由が生まれるのだから、歓迎するところだ。

 しかし朝鮮半島で戦争が起きることは、誰にも(日本にも)メリットをもたらさない。われわれとしても、戦争になる道は何としても避けてほしい。

 いずれにしても国際社会としては、まずは国連安保理で一致して「一斉に」北朝鮮への制裁を決議するという方向で動く方が賢明だろう。

 各国による独自制裁では、北朝鮮に中国への抜け道を許すだけだ。

 北朝鮮を喜ばせるようなTHAADの配備を優先するより、一刻も早く国連安保理における一致した制裁が決議されることを望む。

[執筆者]

遠藤 誉

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)

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