「建築界のノーベル賞」ともいわれる米プリツカー賞を2022年に受けた建築家のフランシス・ケレ氏。幼少期に学んだ西アフリカ・ブルキナファソの学校は、建物が暗くて暑苦しく、子どもの教育よりもパン作りに適していそうなほどだったと振り返る。

ケレ氏は後年、外国留学中に故郷の村に戻り、気温が摂氏45度に達することがある中でも子どもたちが快適に学べる明るく風通しの良い学校を建設した。

現在はベルリンを拠点としているケレ氏は、この時設計したガンド小学校にエアコンを導入しなかった。代わりに複数の冷却機能を取り入れ、その後アフリカ各地でのプロジェクトに応用している。

地球温暖化が進む中で持続可能な学校を設計しているケレ氏はトムソン・ロイター財団の取材で「私の学校はとても暑く、集中できなかった」と振り返り、「だから私は、子どもたちにとって快適で、刺激的な学校を造りたかった」と打ち明けた。

ブラジルやベトナムなどで行われた研究で、暑さが学習に大きな影響を与えるという結果が出ている。世界銀行は昨年の報告書で、気候変動問題が教育の達成度を脅かし、「経済的な時限爆弾」を生み出していると警告した。

専門家は、教室の温度は26度以下であるべきだと指摘している。

ケレ氏がガンドに伝統的建築素材である粘土を使った学校を建てると発表したとき、村人たちは最初ショックを受けた。しかし粘土は自然な温度調節機能を持ち、日中に熱を吸収する一方、夜間には放出する。

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コンクリートや板ガラスは建物を暑くし、悪循環を生む