テレビでこの競技を見る機会があったら、なにが起こるか確認してほしい。まず、軽く膝を曲げ、脚の力を使ってバーを持ち上げる。次に脚を曲げて体を下へ落とし、フルスクワットの姿勢になりながら肩の上にウエイトを持ち上げる。

そこから脚の力を使いながら立ち上がり、動作を完成させる。クリーン&ジャークにおける上半身と腕は二次的な存在だ。

オリンピックのリフターは、他のどのエクササイズよりも多くの時間をスクワットに費やす。そのため、大きくてがっしりとした大腿部を持っている。彼らは脚力の価値を理解しているのだ。

 

もっとも重量があるものを持ち上げるエクササイズは、たぶん、床面から股関節までバーベルを持ち上げるデッドリフトだ。有名なパワーリフターであるアンディ・ボルトンが世界記録を保持している。持ち上げたのはおよそ455キログラムで1トンのほとんど半分だ! これは公式記録だ。

このエクササイズは体にあるほとんどすべての筋肉を機能させるが、実際のデッドリフトは、太ももと股関節で行う。特に股関節を横切る臀筋、体の後ろで股関節と膝をつないでいるハムストリングス、体の前で腰と膝をつないでいる大腿四頭筋がかかわっている。

ベンチプレスのような上半身エクササイズでも、力を生み出すのに脚が大きな役割を果たしている。パラリンピックに出てくる車椅子のパワーリフターも大きな上半身を持っている。

しかし、脚の力を上半身に伝えることができないので、プレスする重量はオリンピックのリフターより、はるかに軽いものになる。これらの例を考えれば、真のパワーは下半身によって生み出されることがわかる。

他のほとんどのスポーツでも、脚ではなく上半身の筋肉が重要視されている。残念なことに、下半身の筋力と下半身がつくる体の安定性の大切さに気づくのは、その脚をケガした時だ。

「脚を見ればライバルの若さがわかる」
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