今こそ国の進歩の新たな尺度が必要だ。米連邦最高裁判事だったルイス・ブランダイスが20世紀初めに警告したように、「この国で民主主義を手にすることも、巨万の富を少数の手に集中させることもできるが、両方は実現不可能」なのだ。

最後に、GDPの膨張は将来の世代を犠牲にしかねない。私たちは環境を破壊し、焦土と化した地球を子孫に残すような行動によってGDPの成長を押し上げることができるし、実際にそうしている。

そう考えると、もはや気候変動対策の重要性を認識するだけでは不十分だ。私たちは持続可能性を経済的繁栄の中心に据えた形にGDPを作り変える必要がある。

©Project Syndicate

NW_PSC_Kaushik_Basu_2_Profile_130.jpgカウシク・バス

KAUSHIK BASU

インド出身の経済学者で、現在は米コーネル大学教授(経済学)を務める。過去にはインド政府の首席経済顧問(2009~12年)、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミスト(12~16年)などを歴任。
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