そもそも彼は、マーティン・スコセッシやジェームズ・キャメロン、ジョナサン・デミらと同じように、低予算のB級映画からキャリアを始めて大御所になった。

『メガロポリス』にも、高尚な哲学とチープで過激な娯楽性が同居している(例えば、女性の無意味なヌードが多い一方で、男性は首元までボタンを留めている)。

昨年4月にカンヌ国際映画祭でプレミア上映された直後はコッポラの暴走と取り沙汰されたが、インスピレーションに満ちた狂気がそのバランスを取っている。

ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの言葉やシェークスピアからの引用もふんだんで、カティリナがいきなり『ハムレット』の「生きるべきか死ぬべきか」のせりふを語り出す。

コッポラが自分の知識と思考の全てを1つの傑作につぎ込もうとした集大成であり、その試みが(ぴたりとはまっているわけではないのだが)見る者を興奮させる。

監督の自己資金の最高額は、コッポラと同世代のジョージ・ルーカス(George Lucas)が1999年の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(Star Wars: Episode I - The Phantom Menace)』に投じた1億1500万ドルだったが、『メガロポリス』は記録を更新した。

映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』予告編

興行収入では『ファントム・メナス』を超えることはないかもしれないが、どちらを今すぐもう一度見たいかと聞かれれば、私の答えは決まっている。

©2025 The Slate Group

MEGALOPOLIS

『メガロポリス』

監督/フランシス・フォード・コッポラ

主演/アダム・ドライバー

日本公開は6月20日

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