アメリカや湾岸諸国が望んでいるもの

イスラエルは歴代のアメリカ政権との間で、国家安全保障に関して不意打ちはないことと、地域におけるイスラエルの軍事的優位をアメリカが徹底して守ることを、永続的な理解として共有してきた。

しかし、今回のように大規模な武器取引がイスラエルの頭越しに行われれば、彼らの軍事的優位が維持されるとは考えにくい。アメリカの中東外交の柱は長年、イスラエルだった。しかし、その役割はサウジアラビアのムハンマド皇太子に取って代わられている。こうした歴史的な転換は全て、ネタニヤフの「功績」だ。

トランプも湾岸諸国も、相手がイランであっても戦争は望んでいない。中東の指導者は紛争ではなく経済発展を望んでいる。彼らもまた、自分たちが機会と見なすところに脅威しか見ようとしないイスラエルの首相に、我慢できなくなりつつある。

©Project Syndicate

240130p16_Shlomo-Ben-Ami.jpgシュロモ・ベンアミ

SHLOMO BEN-AMI

イスラエル元外相。世界各地の紛争解決を目指す「トレド国際平和センター」副所長。著書に『戦争の痕、平和の傷──イスラエルとアラブの悲劇』がある。
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