<黒人女性のイングリッド・ベストはワイン業界の昔ながらの障壁にぶつかりながらも、「ワインはアート」という哲学の下、ワインを売り続ける>

イングリッド・ベストは過去20年間にわたり、世界のワイン・スピリッツ業界を動かしてきた人物だ。そんな彼女が大手酒造会社バカルディの重役の座を捨て、自分のワインブランド「アイベスト・ワイン」を立ち上げたのは昨年の2月。そこにはワインとアート、そして文化への愛情があった。

アイベストのワインは南アフリカのステレンボスという地域で造られている。創業1年目にして権威ある賞を受賞したほか、アメリカン航空の国際線ファーストクラスで提供されるワインにも選ばれた。

アイベスト・ワインを立ち上げたのは、人生の中でこれまでにない強い思いに突き動かされたからだと、ベストは本誌に語った。「大手ワイン・スピリッツ会社で20年間働いたから、業界についてはよく分かっていた。経営者について(人種や性別の)偏りがあることも。オーナーの中に肌の色が濃い人は少なかった。特にワイン業界では」

ベストは米ニューヨークで生まれ、サンフランシスコ・ベイエリアの文化的に豊かな地域やオークランドで育った。「(ワインの名産地である近郊の)ナパのことは裏庭みたいに思ってきた」と、ベストは言う。「2012年に初めてワイン造り体験イベントに参加したのも、ナパのワイナリーだった。あの時から私はワインのとりこになった」

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