<かつてANAの手荷物カウンターでは、時期によって長い行列が出来てしまっていた。問題を洗い出し、改善できたカギは実は「トヨタのアレ」だった>

*この記事は、トヨタが生み出した生産方式「カイゼン」を非製造業でも導入できるものに変え、大きな成果を上げたANAの秘密を解き明かす『ANAのカイゼン』(川原洋一著、かんき出版)から、一部を再編集したものです(全3回のうち、第3回)。

※抜粋再編集の第1回:ANAがトヨタの「カイゼン」を導入...他社が失敗するなか、非製造業なのに成果を出せた理由

※抜粋再編集の第2回:職場の「ムダ」は2つの「ム」から生まれる...業務の生産性を上げるには何が必要?

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カイゼン活動によって生産性が大幅にアップ

ANAグループオペレーション部門は、2016年からカイゼンを導入しました。

・部署内の年間業務時間を「1万4600時間削減」

・CAの年間業務時間を「2万1000時間削減」

・成田空港の航空機のエンジン保存にかかるコストを半年間で「500万円削減」

・お客様からのクレームに対する一次対応の所要時間を「61%削減」

これらは、すべてカイゼンによって得られた成果です。

また、数値には表れにくい成果として、「ANAで仕事ができることを誇りに思えるようになった」「仕事が楽しくなった」という声が、働いている仲間から数多く挙がっています。90%以上の人が「カイゼン活動の結果、生産性が向上した」と回答した部署もあります。

これらの成果は、カイゼン活動によってひとつひとつ問題を解決してきたことで生まれたものです。そんな問題解決のひとつの事例をご紹介しましょう。

手荷物カウンターの待機列を解消する

常にたくさんの人で賑わっている空港では、お客様をお待たせしないことは航空会社のミッションでもあります。しかしゴールデンウィークや年末年始、シルバーウィークなどの大型連休の時期になると空港は非常に混雑するため、カウンターでお客様をお待たせしてしまうことがしばしばありました。

伊丹空港にあるANAの手荷物カウンターでは、時期によっては最大50分もお客様をお待たせしてしまう事象が発生していました。多客期の特定の時間帯には、お客様の行列は何十メートルにもなっていたほどです。

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