<郊外や地方都市で次々と超高層マンションが生まれる人間心理と販売戦略>

新築時の分譲価格が数億円、ときに10億円を超える高額住戸=数億ションや10億ションには、一般の住まいとは大きく異なる部分が多い。

今回は、郊外や地方都市で増えている超高層マンションにおける最上階・高額住戸の話だ。

「知られざる数億ションの世界」(1)〜(4)を読む

超高層マンションは、本来は都心部に似合う住居形態といえる。ビルが建て込む東京や大阪の都心部は、まさに超高層マンションの適正地だろう。

それでも、近年は郊外エリアや地方都市でも超高層マンションの数が増えるようになった。理由は、駅周辺の再開発で超高層マンションが誕生しやすいからだ。

再開発では、それまでの建物をすべて取り壊し、新たな街がゼロからつくられる。その際、歩道付きで幅広の道路が新たにつくられ、公園や緑地帯も確保される。幅広道路や公園のスペースをつくり出すため、建物は高層化せざるを得ない。

「土地の高度利用」を図るため、建設されるマンションは超高層になりがちなのである。

郊外や地方都市の駅周辺再開発エリアに誕生する超高層マンションは、周囲に高層建築物が少ないため、「ひときわ眺望がよい」という長所が生まれやすい。

その長所を十二分に満喫できるのが、最上階住戸。だから、郊外や地方都市において、超高層マンションの最上階は特別感が強まる。最上階のなかでもコーナーに位置し、専有面積が最も大きい住戸となると、特別のなかでも特別な存在。つまり、「ナンバーワン住戸」となり、価格も最上級となる。

下層部の75平米・3LDKが5000万円程度のとき、最上階角住戸で150平米の住戸は2億円というような高額になりやすい。

広さで比べれば、150平米は75平米の2倍。なので、5000万円の2倍で1億円となってもよさそうだ。

しかし、プレミアム要素となる「最上階」や「角住戸」に加え、「最上階だけは天井が高い」ことや「設備仕様のレベルがケタ外れに高い」ことなどで、5000万円の4倍・2億円というような価格設定になってしまうわけだ。

で、その売れ行きはどうかというと......ちょっと信じられないことが起きるのである。

最上階・最高額住戸から売れてゆく

下層部の75平米3LDKが5000万円程度のとき、最上階角住戸で150平米の住戸は2億円......それだけ価格差を付けたら、いくらなんでも高すぎる。販売に苦労するのでは、と思いたくなる。

ところが、実際には高額の最上階住戸から売れてゆく。それどころか、抽選による販売となるケースが多い。

ナンバーワン住戸が2つある?