キッチン部分には冷蔵庫置き場、廊下部分に洗濯機置き場が確保され、トイレが独立しているし、お風呂と洗面所が分かれて小さいながらリネン庫(タオル入れ)もある。

また、玄関・廊下とキッチンの間に室内ドアを設けているので、玄関を開けても室内が見えない。これも、従来のワンルームにはなかった工夫だ。

表示が見慣れないが、「1R+2N」は住みやすそうな間取りである。

「LDK」は「間取りのない家」

もうひとつの変な間取りが「LDK」。その表記を見て、「誤植(表記間違い)」だと思う人は多いのではないか。

というのも、間取り表記は1LDK、2LDKのように、数字とLDKをセットにするのが普通であるからだ。その場合、数字部分は寝室や子供部屋の数を表し、LDKはリビングダイニングキッチンの略。そのため、1LDKは寝室1つとリビングダイニングキッチンの間取りとなる。

以上の法則からすると、「LDK」という間取りは「寝室なしのリビングダイニングキッチン」となってしまう。住宅内に寝る部屋は必須なので、「LDK」の表記を見て、「それ間違えているでしょう」と言いたくなってしまうわけだ。

しかし、「LDK」という表記は間違いではなく、「間取りのない家」を表すためのもの。冒頭に掲げたのは、その説明パンフレットを撮影したものだ。

「LDK」は従来の常識にとらわれず、自由に暮らすための間取りということだろう。

下が、その「LDK」の間取りである。

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世田谷区内で分譲される「クレヴィア三軒茶屋」に設定される「LDK」の間取り。靴のまま室内に入るのがためらわれるなら、マットを敷き、そこで靴を脱げばよいだろう。間取り図は、伊藤忠都市開発提供

たしかに、寝室がない。LDKだけである。

専有面積は約36平米。1LDKもつくることができる広さだ。ただし、その際の寝室は2〜3畳サイズで、シングルベッドを置くだけのスペースとなる。

だったら、小さな寝室を設けず、好きな場所にベッドを置く間取りにしてもよいだろう。そんな自由さを提案しているのが「LDK」の間取りだ。

その工夫ポイントは3つある。

まず、室内に廊下がない。廊下がなくても暮らしやすいように浴室・洗面室・キッチン・トイレの水回りを一直線に並べて、通り抜け可能にしている。洗面室がキッチンから浴室に向かう通路も兼ねているので、合理的だ。

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