乳糖の分解は、ラクターゼのみによるわけではなく、腸内の微生物も大きな役割を果たします。日本人の成人の約80%はラクターゼを産生できませんが、学校給食で牛乳を飲み続けた若い世代は、腸管が乳糖の刺激に慣れたり乳糖分解に役立つ腸内細菌叢ができたりしたことで、上の世代と比べて乳糖不耐の症状が現れないと言われています。

他の動物のミルクを飲むヒトの特殊な食文化は、数千年という短い期間で哺乳動物の常識を超える進化を果たしたばかりでなく、戦後数十年間で日本人の消化器も順応させつつあります。ヒトの適応力は素晴らしいですが、今後は緩やかな進化で対応できるような穏やかな環境が続けばよいですね。

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