だが、「好きなことをしてお金を稼ぐ」と言うと世間では反発されがちだ。なぜなら多くの人にとって、お金は時間や体力、感情など、自分の中の何かを切り売りしたことによる対価だから。そうして得るお金もまた誰かから切り売りされたものなので、お金が増えるほど、その人の痛みと苦しみも増え続ける。

巨額の資金を運用する藤野氏は、「人の気はお金に乗り移る」と指摘する。「お金は人生の痛みの交換」という価値観から抜け出さない限り、いくらお金を稼いでも幸せにはなれないという。

そのため、自分や相手の機嫌を悪くしてまで仕事や勉強をする必要はない、と2人は意見を一致させた。

特に藤野氏が疑問視するのは、コンビニで買い物をしても店員に「ありがとう」と言わないような消費者意識だ。「お金を払う側が偉い」という深層心理が透けて見えるお金を受け取っても、店員側の機嫌が良くなることはない。

藤野氏はお金を使って、いかに良い気分や雰囲気を社会につくれるのかがファンドマネージャーとしての課題だと話す。

この意見に対し、武田氏は自身が「感謝オタク」であると話し始めた。

「きれいごとを言うと叩かれやすいが、自分は油断すると感謝できない人間だと知っているので、あえて積極的に感謝をしにいこうと決めている。感謝はすごく難しい。すぐに当たり前だと思ってしまうから」

また、武田氏は「書道はお手本通りに書くべきだ」といった、無理やり秩序立てていく気持ち悪さが美術や芸術の授業にある、と指摘する。しかしこれは芸術と逆行している。身の回りの物事をどれだけ新鮮な目で見られるかが大事なのだと語った。

これに対し、「初期化する力が必要。会社を評価するときも社名や売上で分かった気になってしまうのは非常に危険だ」と、藤野氏も賛同。「会社でも人間でも、見方を変えればいつでも新しい発見ができる。偏見や言葉で当てはめた瞬間に感動をサボってしまう」

お金をはじめ、あらゆる物事にはプラス面もマイナス面もある。その中で、いかに正のエネルギーが循環するように過ごすかが、人生を楽しむ秘訣のようだ。

構成・酒井理恵

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