ウクライナにおける戦闘は2023年の冬を越えて長期化する見通しとなっている。

仮にロシア側がG7の実効性がない原油価格の上限設定を建前とし、冬を狙って第三国に対するエネルギー供給を意図的に制限した場合、原油先物の取引価格は一気に跳ね上がることになるだろう。それはロシアにとっても危険な賭けではあるが、西側諸国の結束に致命的な打撃を加えることも可能な選択肢だ。この状況下において世界経済を混乱に陥れるためのカードをロシアにあえて渡す行為は愚策そのものだ。

ウクライナとロシアを巡る問題が長期化することを前提とし、今後も様々な外交的な駆け引きが継続・発生することを念頭に置くべきだ。したがって、原油取引の上限価格を設定するという「実効性が伴わない上に、第三国からの支持を失う可能性がある」政策を検討・実行することは、長期化する戦闘の状況に鑑み不適切な行為と言えるだろう。

欧米は対ロシアという文脈に囚われすぎて合理的な判断ができなくなっているのではないか。日本政府には第三国の現状などを踏まえG7唯一のアジアからの参加国として冷静な提案を再度行うことを求めたい。