財政政策についても民主党が当初のインフラ投資法案とは名ばかりの利権バラマキ法案を作成したのに対し、共和党側はミニマムの物理的インフラ整備に限定した対案を提出している。

民主党内の中道派議員もバイデン政権のインフラ投資法案の財政規模を抑制したいと考えている議員もおり、それらの議員も共和党による対案が示されたことを事実上利用し、バイデン政権に規模縮小を求めてきた様子も伺える。最終的には上述の財政調整措置で民主党は共和党の妨害を突っぱねられるが、それにしても幾らかの妥協は迫られることになるだろう。

最終的には世論調査上の「民意」にかかっている

そこで重要なことは最終的には「民意」ということになる。バイデン政権と民主党にとっては選択肢は常に強硬案から妥協案まで全て並んでいる状態だ。共和党側がバイデン政権に政策をどこまで止められるかは世論調査上の民意にかかっている。

したがって、バイデン大統領は、ワシントンD.C.の共和党議員ではなく、共和党支持者に対して政策への超党派の支持を呼び掛けるメッセージを常に発している。共和党内の中道派からの支持が高まるなら、共和党議員が妥協するなら良し、共和党議員が法案を突っぱねても問題と判断できる。逆に共和党側はバイデン政権の政策は左派に完全に飲み込まれていると喧伝し、民主党支持者内の中道保守層の取り込みを試みるだろう。

以上、上記の政局状況を背景として、バイデン大統領が米国民に対して発するメッセージ、それに対する共和党側のカウンタ―メッセージは行われている。そのため、それらメッセージの微妙な表現の変化は実は大きな政治変動の前兆である可能性が常に内包されている。現代米国政治に興味がある読者諸氏には、これらの基礎知識を前提として、今後の展開を予測・分析してほしいものと思う。