カタールW杯大会組織委員会のナーセル・ハタルCEOは「カタールは彼を歓迎している」と安全を保障したが、宗教界やアラブメディアは今も反同性愛一色だ。5月には複数のメディアが、W杯に際しカタールの一部ホテルが同性愛カップルの宿泊を拒否していると報じた。
6月にはカタールをはじめとするアラブ諸国の多くが、女性キャラクター同士のキスシーンを含むピクサーのアニメ映画『バズ・ライトイヤー』の上映禁止を発表した。昨年から今年にかけてはカタールやサウジアラビアなどで、小売店に並ぶレインボーカラーのおもちゃや服装品が「同性愛を促進する」として当局により押収される事態が相次いだ。
近年、アラブ諸国では近代化が推進され、女性の権利や異教徒との融和という点においては目覚ましい成果が確認されている。しかし彼らは、同性愛者の権利は頑として認めない。
多様性を受け入れることを絶対正義とするイデオロギーの推進者はもはや、自分たちが言うところの多様性を断固として受け入れない巨大な集団が存在するという矛盾から目をそらすことはできないはずだ。
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