実際、韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された日の翌日1月20日には1ドル1,159ウォンだった為替レートは、アメリカとのスワップ取極が発表された直後の3月20日には1ドル1,280ウォンまで下落した。さらに、2月までは2,000を上回っていた株価指数(KOSPI)も3月19日には1,458まで暴落していた。韓国にとっては2008年と同じくアメリカとのスワップ取極に頼らざるを得ない状況だった。

出所)韓国取引所ホームページを用いて筆者作成
アメリカも新型コロナウイルスにより揺れている自国の国債市場を安定化させると共に、グローバル金融市場のドル調達を円滑にするために韓国を含めた9か国とスワップ取極を締結することが望ましかった。3月19日にアメリカとスワップ取極を締結してから金融市場に対する不安が解消された後、株価は少しずつ上昇し、ウォン安も止まるなど金融市場は安定化され始めた。
中国やスイスやカナダとも締結
韓国は、アメリカ以外の国とのスワップ取極にも積極的な姿勢を見せている。アメリカとのスワップ取極を再延長する前の2020年10月22日には中国とのスワップ取極の契約を2025年10月まで5年延長した。韓国は2020年12月24日現在、アメリカ(600億ドル)、中国(590億ドル)、スイス(106億ドル)、カナダ(事前限度なし)など、合わせて8か国と総額1962億ドル相当のスワップ取極を結んでいる。

出所)韓国銀行「ECOS経済統計システム」を用いて筆者作成
韓国における外貨準備高はアジア経済危機があった1997年末の89億ドルから外貨準備高は2020年10月末時点には4,265億ドルまで増加した。日本の1兆3,223億ドル(2019年6月末現在)には及ばないものの、スワップ取極で確保したドルを合わせると外貨準備高の合計額は6,000億ドルを超えている。

出所)韓国銀行「ECOS経済統計システム」を用いて筆者作成