平成23~26年:東日本大震災発生、内定者にも緊張が走った
震災のため、多くの企業が事業の継続を含めて大混乱。厚生労働省も内定取り消しや被災した新卒者等への救済のため緊急対応を進めた。混乱のため入社時期を遅らせた企業もあった。人材マーケットが大混乱した年である。
ここから先は、新入社員の意識調査として「仕事優先」か「プライベート優先」かも表記した。平成23年は、仕事重視55.6%、プライベート重視43.1%と仕事重視が12.5ポイントも高いが、平成27年に逆転する。そして、平成30年では、仕事重視36.7%、プライベート重視63.2%と大きく差が広がっていく。
「ワーク・ライフ・バランス」という概念が浸透したこともあるが、人生は会社だけではないという、個人が自分の生き方に目覚めた時代と言えるかもしれない。
人気企業ランキングでは、味の素、カゴメ、オリエンタルランド、明治グループ、東芝、旭化成グループが、トップ3に顔を出す。東芝は平成25年卒で理系2位。不適切会計問題で、田中久雄社長が辞任したのが平成27年なので、その少し前のことだ。



平成27~31年:再び売り手市場、スカウト型など新しい採用方法も登場
リクナビ、マイナビという大手のプラットフォームを利用して学生が企業にエントリーするのではなく、人材会社i-plugの「Offer Box」に代表されるような、企業が個人の特徴を見てスカウトする採用手法が新卒でも広がりを見せる。
人材会社ジェイックの「Future Finder」というサービスは、学生の性格特性診断と企業が求める人物像の特性診断から精度の高いマッチングを行う新しいタイプのプラットフォーム。学生も企業にエントリーできるし、企業も個人をスカウトできる。「相性」を基軸に双方がコミュニケーションを取れるような仕組みが構築されている。
個人の特徴をきちんと見て活かそうとする新しい採用方法が生まれて、進化している。
人気企業ランキングでは、文系で再び旅行業界が上位に。




個人の多様な価値観に企業が向き合わざるを得ない時代へ
平成の30年間を振返ると、企業と個人の関係の変化が見えてくる。
1990年代のリストラによる人員削減は、企業が一生面倒を見てくれるわけではないことを再認識させた。
1990年代後半から2000年代にかけての新卒採用が厳しい時代は、非正規社員として働かざるを得なかった人だけでなく、なんとか正社員になった人も、チャンスがあればさらに自分に合った場所を探して転職するという流れを生んだ。
2000年代後半から2010年代は、ワーク・ライフ・バランスの概念が浸透していった。ITの進化で仕事内容や働き方も大きく変化した。人々の価値観が、人生全体を通して何が大事なのかを考えるものへと変わっていった。
数年前から声高に叫ばれる「人生100年時代」も、その傾向に拍車をかける。就職、つまり会社に求めるものが、個人によって大きく異なるようになったのだ。