昨年5月、保守派のイブラヒム・ライシ大統領の事故死後、驚くべきことに改革派のマスード・ペゼシュキアンが後任になり、事態はさらに複雑になった。
だがこれまでのところ、ペゼシュキアンとハメネイは核交渉の意思を示す一方でイスラエルを脅し、米国の「強制」を拒否している。
今、ハメネイは現体制の存続に関わる2つのジレンマに直面している。
第1に、反体制派に厳しい姿勢で臨めば国民の反発がいっそう強まるだろう。だが締め付けを弱めれば、体制を支えてきた保守派の支持を失う。
第2に、核開発を進めれば、イスラエルやアメリカから攻撃される可能性が高まるが、核開発を停止すれば軍部の離反を招く。核を手放せば、最後の「抑止力」を失うことにもなる。
ハメネイがどんな決断を下すにせよ、イスラムの聖典『コーラン』の一節のような状況が待っているのかもしれない。「辺り一面から死が迫り来る......しかも、これらの前に、手厳しい懲罰がある」
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