それにしても腹立たしいのは、トランプ米大統領が今回の作戦成功を自分の手柄のように吹聴していることだ。トランプが米軍をシリアから撤退させたせいで、今まで積み上げてきた対ISISの諜報・軍事活動に関する協力関係が壊れたというのに。

バグダディは死んだが、テロ組織が消え去ることはない。ISISは「国」を失っても、今後もジハーディスト(イスラム聖戦主義者)をたきつけ続けるだろう。

バグダディの遺体はイスラム教にのっとった葬儀の後、水葬された。それでもイスラム社会が21世紀の世界秩序に違和感を覚え、欧米に虐げられていると感じている限り、CIAと米軍と欧米諸国はジハーディストとの戦いを続けなくてはならない。

<本誌2019年11月12日号掲載>

【参考記事】IS最高指導者バグダディ その転落の軌跡

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