ただし、このような楽観的見通しは新首相の外交的ハードルを上げすぎてしまう可能性もある。元防衛相の石破はかつて日本の防衛力増強に意欲を見せ、韓国を不安がらせたこともある。首相となった今は、領土問題で日本政府の公式見解への支持を明言しなければならないはずだ。

新首相の前には難問が山積している。石破が8月に台湾を訪れ、頼清徳総統と会談して以来、中国は警戒を強めている。近いうちに揺さぶりをかけてくるはずだ。

最も重要な米大統領との関係では、ハリスまたはトランプと良好な個人的関係を築くだけでなく、激しい政治対立で二極化したアメリカとどう付き合うかを考える必要がある。日本国内でも国民の深刻な政治不信に対応しなくてはならない。

だが石破は自民党総裁選に5回も挑戦、ついに悲願の王冠を手にした男だ。その意志の強さは侮れない。新政権の今後については不透明な部分が多いが、1つはっきりしているのは決して平穏ではないということだ。

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