結局道具扱いのサウジアラビア

この文書を通して読んでみて気がつくのは、アメリカがサウジを守るために努力をするという話を一切していないことである。サウジはイランの脅威を強く感じており、とりわけムハンマド皇太子はイランを最大の脅威とみているのだが、そのムハンマド皇太子に安心を供与するということを目的としているというニュアンスはほとんど感じられない。

むしろ、このパラグラフの表現からにじみ出てくるのはアメリカはイスラエルのためにイランと戦っており、そのための手段としてサウジが必要と感じている、ということである。つまり、トランプ大統領にとっては、ムハンマド皇太子が殺害に関与したかどうか、イランから脅威を抑えることで安心するかどうかには関心がなく、あくまでもアメリカとイスラエルのために役に立つからサウジと同盟を組んでいるということになっている。

果たしてトランプ大統領の頭の中では、日本はイスラエルのような、真に守らなければいけない国家に見えているのか、それともサウジのように都合の良い道具のような国家に見えているのか、トランプ時代の日米同盟を考える上で避けては通れない問いなのかもしれない。