米ハーバード大が、コロナ禍から経済を再開するための戦略を発表

2020年4月21日(火)14時10分
湯川鶴章

エクサウィザーズ AI新聞(2020年4月21日付)から転載

米ハーバード大学は、コロナ禍を終息させるための戦略を発表した。それによると、少なくとも1日に2000万件の検査や、接触経路の追跡、隔離者のケアが必要だとしている。

同大のEdmond J. Safra倫理センターが「パンデミックからの回復力ロードマップ」というレポートを発表。このレポート作成には、経済学、公衆衛生、テクノロジー、倫理など45の分野の全米の専門家が協力しており、コロナ禍で停止状態になっている米経済を再開させるための初の包括的運用計画になっているという。

同レポートによると、8月までに学校を再開させ、リモートワークしている人の20%をオフィスに戻すぐらいの経済回復力を実現するためには、段階的な戦略が必要だとしている。ただこのレポートは、8月までに経済回復力を取り戻すという戦略で、8月で米経済が回復するという話ではない。

このレポートの提言の最重要ポイントの1つは、検査の件数を増やすこと。6月初旬までに一日500万件の検査を実施する体制を築き、夏までに一日2000万件の検査を実施する体制が必要だとしている。と同時に感染者の感染経路を把握し、接触者に注意を促し、検査で陽性反応が出た人を隔離する必要がある。また隔離者の仕事を守り、食事や必要なケアを提供すべきだとしている。

関係者によると、感染者数の推移を見て経済活動を規制したり緩和したりせずとも、この計画に従えば、ワクチンを開発できるまでの間に、経済活動を一貫して緩めていく方向で進めていけるという。Edmond J. Safra倫理センターのDanielle Allen所長は「感染の広がりを抑えるとともに、力強い経済を再建できる唯一の方法だ」と語っている。

発表文:Pandemic Resilience Roadmap

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