米共和党は今もトランプ支持一色

2021年3月1日(月)13時50分
クリスティーナ・チャオ

<退任後初の演説を行ったトランプはバイデンの政策を激しく批判し、実際は自分が選挙に勝っていたと主張。3度目の大統領選出馬をほのめかした>

ドナルド・トランプ前大統領は2月28日午後、保守派の政治家や活動家が集う保守政治活動集会(CPAC)で演説を行った。その内容は、ジョー・バイデン大統領の移民により寛大な政策を激しく非難し、2024年の大統領選への再出馬を支持者にほのめかすものだった。

「ジョー・バイデンの大統領としての最初の1カ月は、近代史上最も悲惨なものだった。すでにバイデン政権は、雇用や家族を重視せず、国境やエネルギー、女性に関する問題を悪化させ、科学にも反する政権であることを証明した。わずか1カ月で、われわれはアメリカ・ファーストからアメリカ・ラストになってしまった」と、トランプは語った。

「その格好の例が、アメリカ南部の国境の現状だ。われわれはあれほどよくやっていたのに、今や恐ろしい危機に見舞われている。バイデンは今、すべてを台無しにしようとしている。私が退任した6週間前の時点では、アメリカの歴史で最も安全な国境ができていたのに」と、トランプは続けた。「国境の壁は素晴らしい効果をあげている。バイデンらは壁を完成させたくないのだ」

共和党内の造反議員を攻撃

トランプによれば、バイデンは前政権が強化した国境警備と安全保障措置を「無謀にも排除し」、「この国に不法移民の大規模な流入を引き起こした」。

「バイデンは、最高行政官として最も重要な職務を果たすことに失敗した。それはアメリカの法を執行することだ。これだけでも、民主党が次の中間選挙で手ひどい敗北を喫し、今から4年後に確実にホワイトハウスから去る理由になるはずだ」

聴衆は大きな歓声を上げ、立ち上がって拍手した。

トランプはその後、バイデンは2020年の大統領選挙で本当は敗北していたと嘘を繰り返し、大統領選への再挑戦をほのめかした。「実際、みなさんは今回の選挙で民主党は負けていたことを知っている。私は彼らを3度打ち負かすために決断するかもしれない」

ついこの間、連邦議会襲撃を扇動した容疑で弾劾裁判にかけられたトランプだが、その勢いは変わらない。

ここ数カ月、共和党内は、トランプ派と、トランプの支配を終わらせたい党幹部が争っている。前大統領に忠実な党員と議員の同盟は、民主党が主導したトランプの2度目の弾劾を支持した共和党員や、トランプの「メイク・アメリカ・グレート・ アゲイン(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)」運動に反対する政治家に報復すると脅している。

実際、共和党支持の有権者の間では、トランプは今も圧倒的な支持を受けている。CPACとワシントン・タイムズ紙がCPAC参加者を対象に行なったアンケートでは、2024年の共和党予備選が今日行われるとしたら誰に投票するか?として21人の名前を挙げて尋ねたのに対し、トランプが55%と圧倒的な支持を集めた。

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