トランプが52カ所攻撃するなら、イランは300カ所攻撃する

2020年1月6日(月)16時00分
アーサー・ビラサンタ

「トランプの脅しは不道徳で、アメリカ的ではない」と、長年にわたってNATO大使を務めたニコラス・バーンズ元政治担当国務次官はツィートした。

そもそもイラン革命防衛隊 の精鋭「クッズ部隊」のスレイマニ司令官の殺害も違法行為であった可能性が高い。米議会の承認を受けずに行うほど自衛のために差し迫った攻撃だったとは証明されていないからだ。その上、イランの文化施設を攻撃するという今回の脅しは「戦争犯罪を実行するという明らかな宣言」だと、かつて国防総省で国家安全保障法務官を務めていたエール大学のウーナ・ハサウェイ国際法教授は言う。

スレイマニ司令官殺害の瞬間とされる映像


<参考記事>イラン革命防衛隊の司令官殺害 トランプの攻撃指令に法的根拠はあったのか?

イランのモハマド・ジャバド・ザリフ外相は5日、イランの52カ所を標的にするというトランプのツイートに対し、トランプは戦争犯罪の実行を示唆しており、国際法の規範に違反していると非難した。

(翻訳:栗原紀子)

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