最新記事
ロシア

ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が始まって以来「最大規模」の超巨大爆発だった

Russian ammo depot 1.8 kiloton blast may be 'biggest single event' in war

2024年9月20日(金)18時39分
ブレンダン・コール
ロシア弾薬庫での超巨大爆発は戦争最大規模

Maxar Technologies/Handout via REUTERS

<ロシア国内の「弾薬庫」がウクライナのドローンによる攻撃を受けたと見られるが、ウクライナ保安庁の情報筋は同様の軍事施設への攻撃計画があるとした>

ロシア西部のトベリ州にある弾薬庫が、ウクライナのドローンとみられるものによる攻撃を受けた問題について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が始めたウクライナ戦争におけるこれまでで最大の出来事だとする見方が出ている。実際、SNSにはとてつもない規模の爆発が起きた瞬間を捉えた映像が出回っている。

■【動画】ロシア「弾薬庫」の超巨大爆発...動画から推察される規模は「核爆弾に匹敵」「戦争が始まって最大」の声

SNS上の動画(信ぴょう性については未確認)には、9月18日午前3時30分頃にモスクワの約385キロ西に位置するトベリ州トロペツにあるロシア国防省ミサイル・砲兵総局(GRAU)の弾薬庫が攻撃を受けた後に巨大な火の玉が立ち上る様子が映っている。動画にはその後も複数の爆発が起きた様子が捉えられている。

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問はX(旧ツイッター)に、爆発はトリニトロトルエン(TNT:高性能爆薬)1.3~1.8キロトンに匹敵する威力で、約320キロの範囲に爆風が広がったと投稿した。

またロイター通信によれば、米カリフォルニア州モントレーにあるミドルベリー国際大学院のジョージ・ウィリアム・ハーバートは、200~240トンの爆薬が爆発した規模に相当する爆発だと推定した。

18日午後の時点で約3万トンの砲弾が爆発したか爆発し続けており、火災も続いているということだ。

ウクライナ国防省はロシア領内への攻撃について「ノーコメント」

ウクライナ保安庁(SBU)の情報筋はネットメディア「キーウ・インディペンデント」に対して、ウクライナ軍のドローンがロシア軍の「主要なミサイルおよび砲弾の巨大倉庫を文字どおり地球上から消し去った」と述べた。この人物はまた、ウクライナが「敵のミサイル攻撃能力を減らすために入念に」行われたものであり、ロシアのほかの軍事施設を攻撃する同様の計画があるとつけ加えた。

ウクライナは直接認めてはいないものの、ロシア領内への攻撃を強化し、ロシア軍が戦争を遂行する上できわめて重要な軍事施設を標的にしている。ウクライナ国防省は本誌宛ての声明の中で「ロシアで起きていることについて、我々はコメントしない」と述べた。

本誌はこの件についてロシア国防省にコメントを求めたが、これまでに返答はない。

トベリ州にある弾薬庫には北朝鮮製のKN23弾道ミサイルやグラート多連装ロケットシステム、S-300防空システムや高性能弾道ミサイル「イスカンデル」などが保管されていたと報じられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中