最新記事

米朝関係

北朝鮮の「ロケットマン」復活で近づく米朝戦争の足音

Return of Rocket Man

2019年12月25日(水)16時15分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

だが、トランプはそれほど簡単な相手ではないかもしれない。金の最大の望みはアメリカの制裁解除だが、トランプは制裁を少しも緩和していない。ロシアやサウジアラビア相手の場合と違って、トランプの側近の間に、大きな譲歩のないまま北朝鮮を容赦する方針に賛成する向きはない。

つまり北朝鮮問題ではどんな前進も望めない。さらなる不安材料は状況悪化の可能性だ。北朝鮮がICBM発射に踏み切ったら、もしくは再度の核実験を行ったら? 「ロケットマン」にだまされていたと気付いたトランプが毒舌と脅しで襲い掛かり、北朝鮮が脅しで逆襲し、戦争の引き金が引かれるのか。

今となってはその可能性はより高い。トランプは何もかも問題ないと自信満々、金のほうは何をしても罰を受けないと信じ込んでいるからだ。

米朝の危険なゲームは今や特に危険だ。金がいくらか正気を取り戻し、トランプがより責任ある人物になる。そんなあり得ない展開に平和の行方が懸かっているのだから。

©2019 The Slate Group

<2019年12月31日/2020年1月7日号掲載>

【参考記事】米朝協議「決裂」で、またミサイル実験の応酬が始まる?
【参考記事】「平和に年末を迎えたいなら譲歩せよ」──ビーガン代表も警戒する北の挑発

2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

東京の中国大使館への侵入事件、中国当局が日本側に抗

ワールド

トランプ氏、イランとの戦争終結合意に意欲=イスラエ

ワールド

ポルトガル、第1四半期は経済活動縮小 嵐で経済損失

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、3月速報値は成長ほぼ停滞 中東
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 5
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 6
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 7
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 8
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中