最新記事

環境

トランプが「現代のドン・キホーテ」と嘲笑される理由

Internet Compares Donald Trump to Don Quixote's Fear of Windmills

2019年12月25日(水)18時00分
ベンジャミン・フィアナウ

ターニング・ポイントUSA会議での演説で、トランプは風力についてさらにこう語った。「われわれは風力に基づく経済にシフトするのか。風力のことはまったく理解できない。風車のことは誰より研究したのだが。風車の価格はとても高い。それもたいていは中国製かドイツ製だ。アメリカではほとんど作っていない。風車の生産はものすごい煙を大気中に吐き出す」

トランプが最初に風力タービンに対する敵意を露わにしたのは2012年。自身のビデオブログで風車のことを「恐ろしい外見の構造物」と言った。以来、風力発電設備を付けた土地の価格は75%暴落する、そこは鳥の墓場だなどとさんざん。

風車のせいで鳥が「何千羽も」死亡しているという懸念は何度も繰り返し述べており、アメリカの国鳥ハクトウワシまでが犠牲になっている、とを引き合いに出すことも多い。

連邦機関の研究者とワイオミング州に拠点を置く環境コンサルティング会社ウエスト社が実施した2014年の調査では、風力タービンによって死亡する鳥の数は、猫に襲われたり携帯電話の電波塔に衝突して死ぬケースよりも少ないことが判明した。

環境保護団体全米オーデュボン協会は2016年の報告書で、北米において風力タービンが原因で死亡した鳥の数を年に14万羽から32万8000羽と推定している。

あるツイッターユーザーは「ドン・キホーテ」がソーシャルメディアプラットフォームでトレンドになりはじめたことに言及し、「ドン・キホーテは、風車を槍で突こうとする頭のおかしい老人だが、現実のドン・キホーテよりずっとましだ」とコメントした。

(翻訳:栗原紀子)

2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独ポルシェ、傘下セルフォースでのバッテリー製造計画

ビジネス

米テスラ、自動運転死傷事故で6000万ドルの和解案

ビジネス

企業向けサービス価格7月は+2.9%に減速 24年

ワールド

豪首相、イラン大使の国外追放発表 反ユダヤ主義事件
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中