最新記事

中東

トランプ、イラン最高指導者ハメネイ師らに制裁 数十億ドル規模の資産凍結

2019年6月25日(火)10時00分

トランプ米大統領は、イランに対し追加制裁を科す大統領令に署名した。最高指導者ハメネイ師や高官らを対象とした。写真はイラン・米両国の国旗。2015年7月にウィーンで撮影(2019年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は24日、イランに対し追加制裁を科す大統領令に署名した。最高指導者ハメネイ師や高官らを対象とした。

イラン指導部の金融資産へのアクセスを禁止する。米国の金融システムの利用のほか、米国内資産へのアクセスが禁止される。ムニューシン財務長官はこれにより数十億ドルのイラン資産が新たに凍結されると述べた。

米財務省によると、精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」の幹部8人も対象に指定した。ホワイトハウスは「制裁対象となった個人と取引を行う者も制裁の対象とされる可能性がある」と説明した。

トランプ大統領は記者団に対し、先週起きたイランによる米無人偵察機撃墜を受けた措置だと説明したが、その後、偵察機撃墜がなくても追加制裁を実施していたと語った。「イランによる敵対的な行動」の最終的な責任はハメネイ師にあるとし、今回の制裁は「イランの挑発的な行動に対する力強い、相応の措置」だと強調した。

イランのラバンチ国連大使は記者団に、制裁の脅威にさらされた状況では米国との対話を受け入れないとの方針を示した。米国の決断は「国際法や秩序を全く尊重しない」姿勢の表れだと非難した。

イランのザリフ外相はツイッターで、トランプ大統領周辺のタカ派の政治家らが「外交を軽視し、戦争を渇望している」と批判した。

ムニューシン財務長官は、ザリフ外相も週内に制裁対象に指定されることを明らかにした。

海洋安全保障

米国は、イランに対する強硬姿勢を支持するよう欧州、中東諸国に呼びかけた。

ホルムズ海峡に近いオマーン沖で今月、石油タンカー2隻が攻撃を受けた事件について、米国は攻撃の背後にイランがいるとの見解を表明、イランはこれを否定し、両国間の緊張は一層高まっている。

米政府は24日、湾岸の輸送路を守るために同盟国と協調体制を構築しつつあると発表した。米国務省高官は記者団に対し、協力国が物資、資金両面で貢献すると述べたが、具体的な国名には言及しなかった。

ポンペオ米国務長官はサウジアラビアなど中東の同盟国を歴訪し、イラン問題や海上の安全保障を巡り協議した。

ポンペオ長官はサウジアラビアのジッダからツイッターに「航行の自由が最も重要だ」と投稿した。

トランプ大統領は24日、ツイッターで、日本や中国などに対し、ホルムズ海峡を通過する自国の石油タンカーは自ら守るべきだと主張した。

一方、イランのザリフ外相はツイッターで「ペルシャ湾に米軍の出る幕はない。撤退は米国や世界の利益に完全にかなう」と述べた。トランプ大統領のツイッターでの発言を踏まえたものとみられる。

ニュース速報

ビジネス

原油先物は小反発、中東情勢緊迫で 米在庫増が上値限

ビジネス

伊政府、ウニクレディトのモンテ・パスキ買収で雇用と

ビジネス

米石油・ガス各社の第2四半期、市場予想を上回る 原

ビジネス

ペトロブラスの第2四半期、利益が予想超え 原油高や

MAGAZINE

特集:世界が尊敬する日本人100

2021年8月10日/2021年8月17日号(8/ 3発売)

免疫学者から歌舞伎役者、ユーチューバーまで世界が認めた日本の天才・異才・鬼才100人

人気ランキング

  • 1

    恐竜絶滅時に起きた高さ1500mの津波 その痕跡がアメリカの地下に眠っていた

  • 2

    大江千里がアメリカで感じた東京五輪の空虚さと違和感

  • 3

    誰にも聞こえない周波数で歌う世界一孤独な「52ヘルツのクジラ」の謎

  • 4

    気候変動の影響で地球の自転軸がずれた──最新研究

  • 5

    中国発の大ヒットSF小説『三体』に秘められた中国的…

  • 6

    太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測…

  • 7

    こんなに動いていた! 10億年のプレートの移動が40秒…

  • 8

    自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相

  • 9

    「反マスク派」ポスターを剥がした女性、仕込まれて…

  • 10

    仮説上の天体『テイア』の遺物が地球深部に存在する…

  • 1

    東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

  • 2

    いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳

  • 3

    恐竜絶滅時に起きた高さ1500mの津波 その痕跡がアメリカの地下に眠っていた

  • 4

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だ…

  • 5

    ドラァグクイーンと子供のふれあいイベントが抗議殺…

  • 6

    福山雅治ほどの温厚な人を怒らせた「3つのスイッチ」とは

  • 7

    大江千里がアメリカで感じた東京五輪の空虚さと違和感

  • 8

    パリ五輪ロゴの出会い系アプリ激似説がネットで再燃

  • 9

    なぜ日本男子は世界で唯一、女性より幸福度が低くなる…

  • 10

    女子陸上短距離ジョイナーの「伝説と疑惑の世界記録…

  • 1

    東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

  • 2

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 3

    加害と向き合えない小山田圭吾君へ──二度と君の音楽は聴きません。元いじめられっ子からの手紙

  • 4

    20万円で売られた14歳日本人少女のその後 ──「中世に…

  • 5

    「無駄に性的」罰金覚悟でビキニ拒否のノルウェー女…

  • 6

    「1日2個、カットしてスプーンで食べるだけ」 メンタル…

  • 7

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手…

  • 8

    人間のオモチャにされたイルカ死ぬ──野生動物に触る…

  • 9

    韓国で、日本製バイクの販売が伸びている理由

  • 10

    いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月